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【ドイツ語・フランス語・イタリア語の名句】中庸の徳、ヨーロッパではどのように言う?

執筆者の写真: 小園隆文小園隆文

更新日:2022年1月26日

こんにちは。文明史家・日本人のための世界史作家・生命力を高める文章家の小園隆文です。


ブログを読んでいただき、ありがとうございます。

今日も【ドイツ語・フランス語・イタリア語の名句】をご紹介していきます。


さて皆様、良いお正月を過ごされましたでしょうか?毎年耳にするのが、「食べ過ぎた~」の声。「正月太り」という言葉があるように、お正月はついつい暴飲暴食になりがち。かく言う私も、ちょっとだけタガを緩めてたくさん食べさせてもらいました。


腹八分目、ほどほどに。言うは易く行うは難し。特にこの時期は…。ということで思い立ったので、今日は「ほどほどに」そして日本人が好む「中庸の徳」、これをヨーロッパではどのように言うのか?をご紹介していきます。やや強引に結びつけていますが(笑)。




まずドイツ語では。


Halte Maß in allen Dingen

何事もほどほどに 


思いっ切り直球の表現です。そもそも「ドイツ人に【中庸】【ほどほどに】という概念があるのだろうか?」というのが、歴史を研究していると感じる点です。墺仏露の東・南・西の三国を敵に回して戦い、あわや亡国寸前までいったフリードリヒ大王(七年戦争・1756~63)。【世界政策】と勢いづいて英仏露を相手に戦い、帝政を崩壊させたヴィルヘルム二世

(第一次大戦・1914~18)。やはり【千年王国】を夢見て戦争に突入し、本当に国を崩壊させたヒトラー(第二次大戦・1939~45)。ドイツは度々、加減を知らずにやり過ぎて失敗。痛い思いをしてきた国です。そんな歴史から多少は学んだのか。でもこのような直球の表現しかできないようでは、まだまだか…。


次はフランス語です。


La modération est la santé de l'âme

中庸は魂の健康


ドイツよりは「らしい」表現です。やはり美食とワインの国だけに、ついつい食べ過ぎの見過ぎるのか。はたまた恋に落ちたら家庭があっても突っ走ってしまうのがフランス人ですから、その歯止めの意味もあるのか。何せ現職大統領が愛人の存在を記者に突っ込まれて、「それが何か問題でも?」と軽く受け流してしまうお国柄。まあ、色々やり過ぎて悩んで失敗して、でもそれを文学や演劇に仕立てて傑作を生み出してしまうところが、フランスの魅力でもあるのですが。美食やワイン、アバンチュールも行き過ぎると苦痛に。してみるとフランス人らしい表現というところでしょうか。


最後はイタリア語。


La strada di mezzo è la più sicura

中間の道が一番安全


一見らしくないように思われますが、実はリアリストなイタリア人らしい表現。カルチョ(サッカー)に象徴されますが、イタリア人は攻撃のリスクよりも、守備を万全に固めて失点を防ぐことから入って、それから攻撃に移ります。その攻撃だってあくまで守備のバランスを崩さないように、慎重に。石橋を叩いて叩いて叩いて…。守備と攻撃のバランスを無理に崩してまで攻めるようなことはまずしません。「消極的過ぎてつまらない!」と批判されようがへっちゃら、どこ吹く風。バランスを重視しています。19世紀まで統一国家を持てず、ローマ教皇や周辺の大国の思惑に振り回されてきた小さな都市国家の悲哀が、イタリアの歴史の一部。そんな歴史をたどってきたイタリア人ですから、どちらか一方にのめり込むなんてことは滅多にせず、「中間の一番安全な道を行く」。イタリア人が歴史に学んだリアリズムがそこに込められています。


「過ぎたるは猶及ばざるが如し」に似たことわざもあり、「中庸の徳」というのは日本・東洋だけではなく、意外に万国共通のものなのかもしれません。まあ、大半の人は波風なく普通に平穏に人生を送りたいものです。


ですが…。人生、時には勝負をかけて、寝食忘れて一つのことに集中・没頭・打ち込まなければならに時もあります。ほどほど、中庸ということだけに意識を捉われないよう、それこそそのバランスを取りながら人生を歩んでいくことも大事です。でもくれぐれも、食べ過ぎ飲み過ぎにはご注意を(笑)


【独】Halte Maß in allen Dingen

何事もほどほどに 

【仏】La modération est la santé de l'âme

中庸は魂の健康

【伊】La strada di mezzo è la più sicura

中間の道が一番安全


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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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​小園 隆文 こぞの たかふみ

日本人のための世界史作家

080-7181-7900

​106-0044 港区東麻布1-17-12

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