こんにちは。文明史家・日本人のための世界史作家・生命力を高める文章家の小園隆文です。
ブログを読んでいただき、ありがとうございます。
今日は【ドイツ・フランス・イタリアの神話・伝承】シリーズ、ヨーロッパの先住民であるケルト人とケルト神話について、書かせていただきます。
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ケルト人、といきなり言われても、イメージできる方はほとんどいないのではないでしょうか。彼らは中央アジアから長い年月をかけてヨーロッパに移り住んできてたとされる、インド・ヨーロッパ語系の民族です。最初に定住したとされるのが、今の地図に当てはめるとフランス・ドイツ・スイス三国の国境が交わる付近です。そこから東はアナトリア半島(現トルコ)、西はイベリア半島、南はイタリア半島、北はブリテン島と、ほぼヨーロッパ全体に渡って移り住み、各地で土着したりしてその文化に大きな影響を与えました。
紀元前1200年頃よりハルシュタット文化(オーストリア付近)、紀元前500年頃からはラ・テーヌ文化(スイス付近)という鉄器文明を発達させます。
このような高度な文化を発達させて、ヨーロッパ各地に大きな痕跡を残しましたが、その後は現地の住民との混血・土着化や、ローマ人・ゲルマン人との争いなどを経て次第にヨーロッパの西の方に追いやられていきます。現在でもケルト人の文化が色濃く残っている地域は、アイルランド・スコットランド・ウェールズ・フランスのブルターニュ地方など、ごく限られた地域です。
地名ではボヘミア(チェコ)、リヨン(仏)、ロンドン(英)。河の名前ではドナウ川・ライン川はケルト文化が由来とされています。
そのケルト文化は大きく分けると「島のケルト」と「大陸ケルト」とあり、「島のケルト」の代表格がアイルランド。そして「大陸ケルト」の代表がガリア、後のフランスとされています。私のこの【ドイツ・フランス・イタリアの神話・伝承】シリーズのブログ・動画では、特にケルト文化とその神話が、後のフランスに与えた影響についてお話てしていきます。
そこで今回はまずケルト神話の概要から。大きな特徴として挙げられるのは、他の神話のように「天地創造神話」がないことです。神々や妖精は現実界と冥界を自由に行ったり来たりします。ケルト神話の象徴の一つに渦巻き紋様がありますが、これは変化と増殖、万物の流動、現実化と冥界が隔絶なく繋がっていることを表しているとされます。
そしてケルト神話では、特に以下のようなものを崇拝します。
①樹木 特にオークの木(日本ではナラの木)
生命力と不明つ制を表しており、住居・家財道具にも使われます。オークの木の実はブタの餌にもされます。
②動物 特に立派な角を持つ鹿・牛・イノシシ(ブタ)、カラス
古代では今のイノシシがブタです。今のブタは家畜化されて、古代のイノシシ(ブタ)よりもだいぶ大人しくなっています。カラスは予知能力があるとされ、神々がカラスに化けて戦場に現れるなど、戦争の神にもされました。戦士の死骸を漁ることもありました。あまり聞いて気持ちのいい話ではありませんが…。動物神ケルヌンノスは自然・再生・豊穣・繁栄を、馬の女神エポナは豊かさや多産を司ると神として崇拝されました。
③大釜(大鍋)
さすがに鉄器文化を発達させた人たちです。大きな釜(鍋)は家族料理を作るのに必要不可欠です。グルメ大国・フランスの淵源は、実はこのケルト神話にあるのかもしれません。
ケルト神話には他にも崇拝されているものがあり、そこには日本の八百万の神々信仰とも共通するアニミズム、全てのものには霊魂が宿るとする考えに近いものがあります。現在では表面的に感じることのできる文化としては、ヨーロッパでもごく限られた地域になっていますが、その基層部分には確実にケルト文化が息づいています。古代や中世の古い街並みを大事に保存するヨーロッパの文化というのは、実はこのケルト人たちが残した影響が大きいのではないでしょうか。
次回以降で、このケルト神話が特に主舞台となったガリア、そして後のフランスに与えた影響について書いていきます。
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