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【ドイツ語・フランス語・イタリア語の名句】ルビコン川を渡れるか?

執筆者の写真: 小園隆文小園隆文

こんにちは。文明史家・日本人のための世界史作家・生命力を高める文章家の小園隆文です。


ブログを読んでいただき、ありがとうございます。

今日も【ドイツ語・フランス語・イタリア語の名句】をご紹介していきます。


今日はこちらのことわざです。




【独】Not kennt kein Gesetz  必要は法を知らぬ

【仏】La nécessité n'a pas de loi  必要の前に法律はない

【伊】La necessità non conosce leggi  必要の前に法律はない


人間が社会生活を営み、円滑に暮らしていく上で、一定の規則・ルールを守っていくことは必要不可欠です。ルールがなかったら、イギリスの思想家トマス・ホッブズが言ったように、「万人の万人に対する闘争」のようになって、社会は血みどろになってしまいます。個人の人間関係では規則・ルールということになり、社会・国家レベルでは法律となります。


ですがその規則・ルール・法律が、目の前の現実にそぐわないものだったとしたら?例えば今目の前で、あなたの大事な人が命の危険に晒されている。困っている人がいる。あなたはその人をどうしても助けてあげたい。でもそのための行動は何らかの規則・ルール違反、法を犯すことになってしまう恐れがある…。そんな時でも、あなたは目の前の大事な大事な人を助けよりも、規則・ルールを守ることを優先してしまいますか…?


ちょっと極端な例ですが、究極の選択ですね。できればこんな状況にならないことを望みますが、人生いつ何時このような状況に遭遇しないとも限りません。そんな時に慌てふためいて動揺しないように、「こんな行動の選択肢もある」ということを、頭の片隅にでも入れておいてもらえれば、という想いで今日のことわざ・名句は知っておいていただければと思います。


あらかじめお断りしておきますが、規則破り・法を犯すことをお勧めする考えはありません。ですが時と場合に応じて柔軟に対処する、という行動の選択肢もあるよ、時にはそういうことが必要な時もあるよ、ということを示してくれているのが今日のことわざ・名句であると私は解釈しています。


今日のことわざ・名句ですぐに思い浮かんだ歴史上の事例が、かのローマの政治家・軍人である、ガイウス・ユリウス・カエサルのことです。


ガリア(現フランス)総督であったカエサルは、政敵であるポンペイウスと元老院から総督解任とローマへの帰還を命ぜられます。しかも単身で。カエサルはすぐに「このまま帰還したら、間違いなく殺される…」と身の危険を察知します。そして自らの軍勢を引き連れて、北イタリアのルビコン川に着きます。


当時のローマの法では、このルビコン川を軍を率いて渡ることは「反乱の意思あり」と見なされて、すぐに死刑です。しかし一方では、このままバカ正直に一人で帰還しても、政敵ポンペイウスに殺されることは火を見るよりも明らかです。そこでカエサルは意を決して、兵士に呼びかけます。


『ここを渡れば人間世界の破滅。渡らなければ私の破滅。神々の待つ所、我々を侮辱した敵の待つ所へ進もう。賽は投げられた


そしてカエサルは軍を率いてルビコン川を渡り、ポンペイウス・元老院との内戦に勝利し、その後は独裁官としての地位を固めていきます。この事例は『ルビコン川を渡る』という慣用句として、「もう決して引き返すことのできない、ある重大な決断を下す」意味で用いられます。またカエサルが兵士たちへの演説の中で述べた『賽は投げられた』という言葉も同様の意味で使われます。


ここまでの深刻な状況というものには、一般の人はなかなか遭遇することはないかもしれませんし、出来れば遭遇したくないものです。しかし先に述べたように、人生いつ何時どんなことが起こるか分かりません。昨日までの安定した平穏な生活が、今日いきなり崩れるかもしれません。特に東日本大震災で直接被災された方は、身に染みて実感されているのではなでしょうか。


そんな状況に突如として遭遇した時。また目の前であなたの大切な人が命の危険に晒されている、ピンチに陥っている。助けたいけど、そのためには規則・ルールに違反してしまうかもしれない。そんな時に規則・ルールにがんじがらめになって何も行動できずに後悔するのではなく、もうすこし規則・ルールを柔軟に捉えて対応できるような心構えがあればいいし、時にはそれが必要な時もあるということを頭の片隅にでも入れておけば、いざという時の心構えと行動がだいぶ違うものになると思います。そのために今日ご紹介することわざ・名句、そしてカエサルの事例と明言が少しでもお役に立てば幸いです。


繰り返しますが、何でもかんでも法律違反をお勧めする考えは全くありませんので、誤解なきようお願いいたします。


ただ規則・ルール、そして法律を運用するのは機械でもAIでもなく、血の通った人間です。時には目の前の現実と必要性に応じて、柔軟な捉え方と行動が必要、ということだけを頭の片隅に入れておいていただければ、という想いで今日の名句・ことわざの紹介とさせていただきます。


【独】Not kennt kein Gesetz  必要は法を知らぬ

【仏】La nécessité n'a pas de loi  必要の前に法律はない

【伊】La necessità non conosce leggi  必要の前に法律はない


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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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文明史家・日本人のための世界史作家・生命力を高める文章家

小園隆文



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​小園 隆文 こぞの たかふみ

日本人のための世界史作家

080-7181-7900

​106-0044 港区東麻布1-17-12

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