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【ドイツ語・フランス語・イタリア語の名句】リーダーは一人!

執筆者の写真: 小園隆文小園隆文

更新日:2022年1月26日

こんにちは。文明史家・日本人のための世界史作家・生命力を高める文章家の小園隆文です。


ブログを読んでいただき、ありがとうございます。

今日も【ドイツ語・フランス語・イタリア語の名句】をご紹介していきます。


今日の名句はこちらです。



【独】Viele köche verderben den Brei.人が多すぎるとスープが台無しになる

【仏】Trop de cuisiniers gâchent la sauce.料理人が多すぎるとソースが台無しになる

【伊】I troppi cuochi guastaono la cucina 料理人が多すぎると台所を壊す


日本のことわざでは、『船頭多くして船山に上る』と同じ意味で使われます。ヨーロッパでは、料理に例えられています。


リーダーが何人もいて、「俺の言うことを聞け!」「いや、俺の言うことが正しい!」とやり合っていつまでも結論が出ないと、集団は飛んでもない方向に進んでしまう…。そんな例えに使われます。


日本では支那事変が泥沼化した、昭和13年以降がそのような政治情勢でした。いい加減に手を打ってもっと本当の敵(ソ連)に備えるべきを、議論百出し誰も決断出来ず、そのうちに米英と開戦。戦況は悪化し、最後は昭和天皇の御聖断を仰ぐまでに至ってしまいました。そして最近の事例では、2009年~12年の民主党政権時代がそうでした。


ドイツでは第一次大戦後の、ワイマール体制がこのような状況でした。「世界一民主的な体制」と呼ばれつつも、左右両派の議論がやはり百出。それを首相がまとめることができないうちに世界大恐慌などで経済・社会情勢は悪化し、やがてナチスが選挙に勝利し、ヒトラーが首相に選出。その後の歴史はご存じの通り。


フランスではプロイセンとの普仏戦争に負けて帝政が崩壊(1871)以降の第三共和政、第二次大戦後の第四共和政(1946)がそうでした。首相の権限が弱く、議会では各政党の主張がぶつかり合い、不毛な議論を重ねて政治は停滞。第三共和政ではそれが国防にも悪影響を与えて、第二次大戦ではドイツ軍に完敗し四年間の占領を経験。第四共和政ではフランスが戦後の世界政治で失態を重ねて、その国際的地位が著しく低下。ドゴールという強力なリーダーシップを発揮する人が大統領に選ばれて第五共和政に。これまでの反省を踏まえて、大統領に強力な権限を与えて現在に至っています。


イタリアはもうその歴史自体が、「料理人が多すぎると台所を壊す」ような歴史。都市国家が分立状態が続き、ローマ教皇はそれが自分にとっては、自分を脅かす勢力を抑えられる都合の良さもあり、イタリアの統一を望まず。情勢不利になると外国勢力に介入を求め、その結果イタリアは中世から近代にかけてはほぼ常に外国の勢力争いの舞台に。今のような統一国家がやっとのことで出来上がったのが1861年。その名残か、今でもイタリア政治は巨言う力なリーダーがなかなか出ずに、短命な首相が相次ぎ、「混乱が日常」のような状態です。まあ、イタリアらしいと言えばそれまでですが(笑)。


かのナポレオン・ボナパルトはこのような言葉を残しています。


「優秀なリーダー二人より、愚かでも一人のリーダーが良い」


もっと端的に言うと…


「バカでもいいから、リーダーは一人!」


リーダーというのは、その集団の将来の歩み、メンバーの安心・安全、業績など、その集団がなす全てに結果責任を負います。議論が百出した時には、リーダーが最善と判断したものを「これで行く!」と覚悟を以て決断しなければならない、とても重い立場です。もちろん周囲の意見を聞くことは大切ですが、最終最後の決断はリーダーがしなければなりません。

そしてどんなに辛くても、リーダーという立場には一人しか就いてはいけません。二人も三人もいて、無責任な立場で好き勝手なことを言うと、上記のような、ひどい時には国の破滅を招きます。


本来は海を航海する船が山に登る、スープやソースが台無しになる、台所が壊れる…。このようなことになって最後に困るのは、乗組員や料理人たち、お客さん、果ては国民です。そうならないためにも、最後の決断を下すリーダーは一人!周りはチームとしてサポートはしても、最後の最後に決断を出すのは一人のリーダー。リーダーがダメダメなら周りが助ければいいし、どうにもならないならきちんとした手続きで他のふさわしい人に交代させる。万年野党のような、無責任な立場で好き勝手に主張して、では「あなたがやってよ」となると、適当なことを言って上手く逃げる。そういう人が船を山に登らせ、スープやソースを台無しにして、台所を壊します。


個人の人生でもそうです。あなたの人生、決断を下すのは他の誰でもない、自分!周りのアドバイスは聞いても、それらを総合して最終最後に「こうやる!」と決断するのは自分。そしてその結果がどのようになっても、全ては自分の責任。他人に責任転嫁できない。自分の人生の経営者は自分自身。その覚悟があって、初めて人生は開けます。


【独】Viele köche verderben den Brei.人が多すぎるとスープが台無しになる

【仏】Trop de cuisiniers gâchent la sauce.料理人が多すぎるとソースが台無しになる

【伊】I troppi cuochi guastaono la cucina 料理人が多すぎると台所を壊す


組織にあっては無責任な万年野党のリーダーにならないように。個人の人生では、自分で決断することから逃げないように。肝に銘じて役立てていただければ幸いです。


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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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​小園 隆文 こぞの たかふみ

日本人のための世界史作家

080-7181-7900

​106-0044 港区東麻布1-17-12

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