こんにちは。文明史家・日本人のための世界史作家・生命力を高める文章家の小園隆文です。いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
今日も【ドイツ語・フランス語・イタリア語の名句】をご紹介していきます。
今日はイタリア語のことわざです。
La mia casa, per quanto piccola, sei il mio grande palazzo
我が家よ、小さくともお前は私の大宮殿
『隣の芝生は青く見える』ということわざの、反対の意味です。
どんな大豪邸よりも、たとえ小さくとも今住んでいる、生まれ育った我が家が、自分にとっての一番の大宮殿。
だから他人の芝生を羨む必要など、これっぽちもない。
人はとかく、「あの人に比べると自分はまだまだ…」と自分の足りない点を憂いてしまうことがあります。それがいい意味での「よし！だからもっと成長するぞ！上手になるぞ！」というような向上心につながるのならいいのですが、「大豪邸・高級マンションに住んでいる」「カッコイイ外車を乗り回している」「お金をたくさん稼いでいる」など、他人の本質ではなく、見た目の華やかさに劣等感を感じて、「それに比べて自分は…」となってしまいがちです。
でもそれに何の意味があるのでしょうか？他人が持っているものを羨んだところで、それが手に入る訳でもありません。「その人がそれらを手に入れるのに、どれだけ必死に頑張ったか？」を学ぶならまだしも、自分を卑下しても何の意味もありません。
私も他人のSNS投稿を見ては、「あ～羨ましいな」と思っていた時期もありました。でも結果、そんな気持ちでいる時には何も得るモノはありませんでした。ここ最近になってようやく、「他人は関係ない。全ては自分の内側の意識・想念次第」ということが血肉化されてきたので、他人の豪華な生活を見ても、良いも悪いも感じなくなり、ただ淡々と受け止められるようになりました。そして「今自分の元にあるもの全てが、自分にとっての最高」と自分を認められるようになりました。それは住居もお金も服も、その他すべてのものも…。
イタリア人は「愛国心よりも愛郷心」、「おらが町・村が一番！」という意識が強烈と言われます。自分の住んでいるのがどんなに小さな田舎町でも、「その小さな田舎町がミラノやローマ、ナポリのような大都市よりも一番いい！」という強烈な愛郷心を持っています。
それが今日ご紹介のことわざにも表れていますね。「どんなに小さかろうが、自分の家がどこより一番の大宮殿」。明るく華やかなイメージが強いイタリア人に、このような質素で堅実な一面があることも、人の奥深さを教えてくれます。
ちなみにこのことわざの動画・ブログを制作していてふと、
「イタリアは他のヨーロッパ諸国のように、あまり積極的に植民地支配にも乗り出さなかったし、戦争をやっても弱かった。それは今既にあるイタリアが、あまりにも素晴らし過ぎて、ひいき目に見ても【イタリア最高！】と自信を持って叫べるほどの素晴らしさなので、あまり他国を支配しよう！という欲が湧いてこなかったからなのか…？」
なんていう他愛もないことを感じてしまいました。確かにイタリアには、「ここで一生暮らしたいな～」と思わせる場所が、そこかしこにありますから。まあ、これは余談でした。でもイタリア人のように、「どんなに小さかろうが最高！」と自信を持って言える心意気、学びたいものです。
La mia casa, per quanto piccola, sei il mio grande palazzo
我が家よ、小さくともお前は私の大宮殿
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