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【裏・大河ドラマ】家康が生きた十六世紀のヨーロッパ史    ㉞アダムズは「按針」、ヨーステンは…?

執筆者の写真: 小園隆文小園隆文

画像 日本に漂着したリーフデ号(レプリカ)

(Wikipedia使用分より借用)



こんにちは。


繋善言轂 よきことつなぐこしき 

文明史家・日本人のための世界史作家・生命力を高める文章家


小園隆文 です。


今日もブログを読んでいただき、ありがとうございます。



【裏・大河ドラマ】ブログ 家康が生きた十六世紀のヨーロッパ史。


幕府を開いた徳川家康ですが、その二年後の慶長十(1605)年、将軍職を嫡男・秀忠に譲り、その二年後の慶長十二(1607)年には駿府城(静岡)に隠居。しかしながら、本当に隠居したわけではなく、政治の実権は握り続けます。将軍職もまだまだ続けられるだけの気力・体力もあるのですが、「将軍職は徳川家が世襲していく」ことで「天下はもはや徳川家のもの」ということを、満天下に示すための儀式です。


江戸に幕府を開いたと言っても、長い戦国の世が終わったばかりで、天下は未だ騒然としています。特に家康が警戒しているのが、大坂城にいる秀吉の遺子・秀頼の存在。秀頼そのものは、はっきり言ってしまえば大したことはありません。慶長八(1603)年には、二代将軍となった秀忠の娘・千姫と結婚もしていますので、家康にとっては孫娘の婿殿。姻戚関係にあります。問題は秀頼の周りで豊臣家再興を焚きつける人々。特に母・ねねとその側近たち。彼らが「豊臣家再興」を諦めないのは、いまだに侮れない影響力を放つ「豊臣」の名前、ネームバリュー。そして難攻不落を謳われる大坂城に、同じく侮れない豊臣家の財力。それに引き寄せられて、秀頼の下に参集するやもしれぬ、かつての秀吉配下の武将たち。


朝廷からも一摂家として叙位されており、扱いも徳川家と同等で、実質的に徳川家の配下に服さない、一独立領主のような存在。だいぶ減らされたとはいえ、それでも六五万石の大名。家康にとって秀頼、いや豊臣家の存在は枕を高くして眠ることのできない、いつ暴発するかわからない火縄銃のような脅威でした。


駿府に隠居した家康ですが、しかしそこには豊臣家、それを慕う西国大名、さらには対朝廷・寺社勢力、そしてスペインやポルトガルとの外交。あらゆる情報が寄せられ、また秀忠からの相談もありました。事実上の最高実力者・家康には、ゆっくり隠居などしている暇はありませんでした。


そんな多忙の隠居・家康の対外情勢の目となり、顧問となったのが、既述したようにリーフデ号乗組員として日本に漂着していた、イングランド人ウィリアム・アダムズとオランダ人ヤン・ヨーステンの二人。


アダムズは度々出していた帰国願いも、家康にのらりくらりとかわされ、やがては洋式帆船の建造を任され、伊東(静岡)に日本初となる建造ドックを建てて、そこで80トンの帆船を建造。これでさらに家康のお気に入りとなり、今度は120トンの帆船を建造。いつの間にやらすっかり家康のペースに乗せられています。


これらの功績が評価されたアダムズは旗本に取り立てられ、相模国逸見(現・神奈川県横須賀市)に二百五十石の領地も与えられ、「三浦按針」という日本名も与えられました。領地があったのが三浦郡、水先案内人という職業から「按針(針を按(しら)べる)」、領地と職業が由来となった命名です。そしてアダムズ改め按針は、イングランドにメアリーという妻もいましたが、この日本でもお雪という名の日本女性と結婚。ジョゼフとスザンナという二子を儲けています。


一方、ヤン・ヨーステンも砲術と貿易で家康の天下取りに貢献し、その後も通訳や西洋事情の解説などで知遇を得て、江戸城の内堀沿いに屋敷を与えられます。名前はヤン・ヨーステンが訛った「耶揚子(や・ようす)」と、なぜか中国風の名前。よく言われることで、この「耶揚子(や・ようす)」が「八代洲(やよす)」、さらに「八重洲(やえす)」となり、

現在のJR東京駅近くに残る地名「八重洲」の由来になった、とされています。個人的にはヨーステンの屋敷があったのは今の千代田区付近で、八重洲とは少し距離もあるので、この説はどうなんだろうか?と思っていますが…。


ともかくも、按針に耶揚子、二人yの帰化西洋人の知識と見聞も借りながら、国内外の懸案に対処していくご隠居にして大御所・家康。その彼らが彼ら二人が伝えた西洋事情、十七世紀に入ったばかりのヨーロッパはどのようになっていたか?



今回はここまでで。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


繋善言轂 よきことつなぐこしき

文明史家・日本人のための世界史作家・生命力を高める文章家


小園隆文


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​小園 隆文 こぞの たかふみ

日本人のための世界史作家

080-7181-7900

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