こんにちは。文明史家・日本人のための世界史作家・生命力を高める文章家の小園隆文です。
ブログをお読みいただき、ありがとうございます。
今日も【ドイツ語・フランス語・イタリア語の名句】をご紹介していきます。
今日はこちらのことわざです
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【独】Glück und Unglück sind zwei Nachbar 幸と不幸はお隣同士
【仏】La peine et le plaisir se suivent 苦痛と歓楽はそれぞれの後につく
【伊】Dopo il contento vien il tormento. 満足の後に苦痛が来る
日本のことわざでいうと、『禍福は糾える縄の如し』と同じ意味です。幸と不幸は順番にやって来る。幸福の中にも不幸の種が、不幸の中にも幸福のきっかけがある。『楽は苦の種、苦は楽の種』なども近いかもしれません。
自分も含めて多くの人は、今目の前で起きている出来事に一喜一憂し、「ラッキー!」と喜んだり、「最悪だ…」と落ち込んだりします。でもそもそも、人生に起きることに良いとか悪いとかあるのでしょうか?
「人生、晴れの日もあれば雨の日もある」という言い方もあります。天気の良い晴れの日は確かに気分が良くなりますが、でも晴れの日ばかりで雨が一切降らない、なんてことになったらどうでしょうか?水不足になって農作物は育たなくなり、農家の方々は大変です。水不足になって社会生活にも大きな支障をきたし始めます。逆に雨ばかりずっと降り続けたら?そのうちにダムが決壊して各地で洪水が相次ぎ、家が浸水して住むところが失われて…、などという事態も起こりかねません。そうならないように自然の恵みというのは本当にしっかりしていて、晴れの日と雨の日を適当な、というよりも絶妙な割合で配分してくれています。
忘れてはいけませんが、人もその自然界に一部です。そして人それぞれの人生に起こることも全ては「その人に必要だから」と自然の恵みで与えられている、と想いを切り換えてみてはいかがでしょうか?そうすれば目の前の出来事に一喜一憂して、目先の出来事に心を振り回されてということもなくなり、毎日生かされていることに感謝できて、心豊かな人生を歩めます。
つまりのところ、人生にも、そしてそこで起こる出来事にも一切の良い悪いはない。やはり一番大事なのは心のバランス、中庸ということです。「中庸」のことを書いたブログもありますので、お読みください。
ヨーロッパ史で重要な存在感を示した、ハプスブルク家という貴族があります(今も家系は続いています)。ちょっとヨーロッパ史に詳しい人ならご存じだと思いますが、ハプスブルク家と言えばどこの国か?すぐに結びつくのはやはりオーストリア、そして芸術の都ウィーンでしょう。ですがこの一族、そもそもの出自はスイスのアールガウという、片田舎の地方領主でした。それがルドルフという中興の祖の時に、ドイツ王に選ばれたりローマ皇帝に選ばれたりして家運が上がり、それを妬んだ他の領主たちから村八分の嫌がらせを受けたりして、アールガウには居づらくなり、新天地を求めて流れ着いたのがウィーン、オーストリアです。その時のオーストリアというのは元々の名前が「オストマルク」(東の砦)というのから来ている通り、東方からの異民族の侵入を食い止める最前線の砦で、そこの領主は「辺境伯」と呼ばれました。そう、ウィーンもオーストリアも辺境だったのです。そんな辺境に流れ着いたハプスブルク家はしかし、そこで辺境伯としての務めも地道にこなしながら、このウィーン移転が家運再上昇のきっかけになったのか、その後ヨーロッパに君臨する王族となっていきました。そして他の王族が革命などでお家断絶する中、今もその家計が続いています。その歴史は約800年。
このハプスブルク家の例でも分かる通り、人生は何がどいう転ぶか分かりません。良い!と思ったことが転落に繋がったり、絶望的に思えたことが結果的に良かったり…。だからこそ、幸と不幸はお隣(独)とか、苦と楽はそれぞれの後(仏)とか、満足の後に苦痛(伊)とか各国でいっています。イタリア語の言い回しは少しネガティブ過ぎるかも(笑)
そしてもっと言えばその一時の感情で良い悪いを判断せず、さらに付け加えれば人生で起こることに良い悪いもなく、全て自分に必要なこととして淡々と受け止める。そして良いとか悪いとかに偏らず、中庸の道を歩む。一時の幸不幸のことだけではなく、もっと深い教えを含んでいる。そんなことわざだと感じましてご紹介させていただきました。
【独】Glück und Unglück sind zwei Nachbar 幸と不幸はお隣同士
【仏】La peine et le plaisir se suivent 苦痛と歓楽はそれぞれの後につく
【伊】Dopo il contento vien il tormento. 満足の後に苦痛が来る
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